泣きたい小説を読みたいわけではないけれど
アメリカでは銃乱射事件がまた起きて、
10数人の子が殺されたとか、
北朝鮮がミサイルを飛ばして日本の近くに堕ちたとか、
身内を殺した、あおり運転をした等殺伐としたニュースが
毎日繰り返されています。
なんか心がささくれ立って、訳もなく怒りを
あちらこちらにぶつけたくなる人が増えているようです。
心が病み始めている時は、
優しい話や心温まる物語が恋しくなるものです。
今回は、ちょっと世間で評判の小説を一作を紹介しようかと、、、、
号泣必至とか泣ける小説とか前評判が高いので
この時点で引いてしまう人もいるかもしれませんが、
心がほのぼのとする話が時には、
下世話な世の中の一服の清涼剤になることもある訳で。
サブタイトルはI Love You
出版社の能書きには、
「あなたなら『I Love You』をどう訳しますか」って
書かれているんです。
中学校の英語で習った時には、
「I Love You=私はあなたを愛しています」って
教えて貰い、そう覚えたもんです。
でも、三昔くらい前の事、ある人の本には
明治時代時代には「Love=大事にする」と
訳されていたらしいです。
(ひと昔10年といいます。ふた昔は20年、三昔は30年ということです)
その言葉が心にずっと残っていて、
私の頭の中では「I Love You=私はあなたを大事にします」と
インプットされ続けています。
(今もそうなんです)
「さよならの向こう側 I Love You」を読んで泣けなくても
ここ最近、書店のハードカバーの小説のコーナーや
文庫のコーナーで平積みされている本の中で
「泣ける本」「心がほっとする小説」なんて
POPが書かれていることに目がいってしまうんです。
だからと言って、どれでも片っ端から
買い求めて積読することはしませんが、
立ち止まり数ページパラパラとめくり、
戻すことにしています。
しかし、その中でこの「さよならの向こう側 I Love You」だけは、
数日悩んで買う事に決めた1冊でした。
基本的に衝動買いをしないようにしているのですが、
何日も心の中で消えずにいると、
結局買ってしまうんですね。
この本の購入の決め手は、
「さよならの向こう側」って場所が気になったから。
古来より言われていたことは、死後7日目に
「三途の川」を渡り、善人は橋を渡り、
軽い罪を犯した者は浅瀬を、
重い罪を犯した者は流れの速い深い瀬を
渡らなければならないと言われていたものです。
しかし、この小説では、死んだら、
「さよならの向こう側」って場所で意識が戻り、
24時間以内に自分が死んでいることを
知らない人に会いに行けるとその部屋の案内人に
説明されるところから物語が始まります。
自分の記憶では、この様な設定の話が初めてなので、
つい興味本位に読みたくなった次第。
その先は、登場人物の顛末が書かれた連作になっているので、
これ以上の説明は致しません。
(どこかのレビューでネタバレを見つけられるかも?)
この小説で求められるのは
個人的主観で申し訳ないと思うのですが、
絶対泣ける小説だと先入観を持って読まない事ですね。
どちらかというと、ホットするような「いい話」を
求める方にお勧めかもしれません。
日々の仕事や人間の上下関係、
起こしてしまったトラブルや巻き込まれた災難に
心が疲れ切った人のしばしの憩いとささくれ立つ心を
癒してくれるそんな小説なのです。
最後に「Amazon」に寄せられた
書店員さんのコメントを引用させて頂きます。
出版社からのコメント
一足先に『さよならの向う側』を読んだ書店員さんの感想を公開!
◆うさぎや矢板店 山田恵理子 様
こんなに優しい扉はあるだろうか。
人生のひとときを彩りながら、
音楽も文学も美しく、この本の中に流れている。
この奇跡のような出会いに、
「ありがとう」を花束にして胸に抱きたい。◆有隣堂 藤沢本町トレアージュ 白旗店 小出美都 様
最後の章での伏線の回収が秀逸。
いつまでも心を震わせてずっとあたたかい余韻に包まれます。
この本は終わりの物語ではなく始まりの物語。
たくさんの人にこの本と出会ってほしい。◆紀伊國屋書店 クレド岡山店 河東優衣 様
人生の最後。会いたい人がいる。
“I love you”の意味を知ったとき彼と彼女の想いに胸がつまった……。
「愛」の物語に涙が止まらない。これは、やさしい「愛」の物語だ。引用 Amazonから
さよならの向う側 i love you 単行本 – 2022/5/20
清水晴木 (著), いとうあつき (イラスト)
P.S
「さよならの向こう側 I Love You」は2作目で、
第1作目の「さよならの向う側」は2021年6月に発売されています。
本来であれば、こちらから読むべきなんでしょうが、
生来のひねくれもの故ご容赦を。
2作目で感動したら、この1作目も読んでみたいと思っています。
多分第1作目がとても評判が良くて、
本年2022年に第2作目が刊行されたのでしょうね。
コメント